妄想全開の仮説

昨日の話の続き。
減衰和が使われるべき場所が本当は他にあったのではないかという流れだった。

CT減、消費MP減、ダメ減

CT減、消費MP減、ダメ減の3つは、現状では単純和だけれど、実は、本来これらは減衰和とすべきだったのではないかと考えている。

例として、ダメ減のステについて考えてみる。 例えば、ダメ減20%の装備が2つあったとする。一つ目を付けると被ダメは0.8倍になる。さらに二つ目もつける40%減なのでと被ダメは0.6倍になる。

1つ目を付けている状態を基準にして、2つ目を付けることによる効果を考えてみると 0.6/0.8=0.75なので、25%減となる。

つまり、すでに20%減の状態でさらに20%減の装備を付けると、2つ目の装備による実際の効果は25%減という計算になる。

さらにもう一つダメ減20%の装備があったとすると、60%減。なので被ダメは0.4倍。
2つ目を付けている状態を基準にして、3つ目を付けることによる効果を考えてみると
0.4/0.6=0.666 なので、33.4%減となる。

このことから分かるのは「すでにある程度ダメ減を積んでいる状態で、さらにダメ減装備を積むと、その効果は表示値よりずっと大きくなる」という事。

ダメ減が減衰和だったら?

ところで、もし仮に、ダメ減装備を重ねたときの効果が減衰和として設計されて
いたとしたらどうなっていただろう。

ダメ減20% の装備を2つ付けた場合

0.2 + 0.2 - 0.2*0.2 = 0.36

となる。つまり、ダメ減20%の装備を2つ付けた場合、ダメ減36%の効果しかない。

これは酷い!詐欺だ!

と、 今のロードスに慣れた感覚で見ると思える。けれど、これって実はそれ程悪くない設計とも言える。

この状態で、受けるダメは0.64倍になる。とすると、先ほどと同じように、一つ目の装備を付けた状態を基準として、二つ目の装備を付けることで得られる効果を考えてみるとこんな感じ

0.64/0.8=0.8

ということは、その実質的な効果は20%減。「20%減の装備を付けたら、実質的な効果も20%減」と言うことになる。あれ、なんかまともだ。

さらに、もう一つ20%減を付けたらどうなるか。 36%と20%の減衰和を計算すると

0.36 + 0.2 - 0.2*0.36 = =0.488

つまり48.8%減。今のロードスだったら60%減になるはずなのに、それがたったの48.8%減!?
酷いな!!

でも、今のロードスの感覚を一旦リセットしてフラットに考えてみるとどうなるだろう。

受けるダメは 0.512倍になる。二つ目の装備を付けた状態を基準として、三つ目の装備を付けることで得られる効果は

0.512 / 0.64 = 0.8

となって20%減。やはり「20%減の装備を付けたら、実質的な効果も20%減」というまともな話になっている。

因数分解の公式

こんな風に話が上手くいっている裏には、実はこんな因数分解の公式があるらしい。

1-(a+b-a*b) = (1-a)*(1-b)

ダメ減aの装備では、(1-a)という値がその実質的な効果を表すことになる。それを重ねた場合の効果が積(1-a)*(1-b)となるようにするには、和を「減衰和」で計算すると丁度いい。

逆から見ると

「ダメ減装備を減衰和にする」という設計は、今のロードスと比べると変な設計に見えるかもだけれど、今のロードスを一度忘れ、フラットに考えてみると、案外まともなんじゃない?という事になる。

そして逆に言えば、その「案外まともな設計」を基準に今のロードスを見ると、ダメ減装備の効果ってインフレし過ぎてない?ともなる。

そう言われてみると心当たりが…。
自分は対人戦をやらないので、あまり詳しくはないけれど、人から聞いた話では、ダメ減装備を積みまくった人が対人戦でのバランスを崩す一因になっているらしい。まったく歯が立たないほど固くなってしまうんだとか。

「ダメ減装備を積みまくった人が悪い」という事ではなくて「ダメ減の効果を単純和に設計したのが悪い」ということ。

もし、減衰和で設計していたら、どんなにダメ減装備を積んでもダメを0にすることはできなくなる。対人戦の戦い方が大分変っていたはず。

Another ロードス

もちろん、今のロードスで、いきなりダメ減の効果が単純和から減衰和に変更されてしまっては、どうしようもない。今のロードスは、すでにダメ0が簡単に実現できるという前提で敵キャラの強さ設定がなされている。だからこそ、強い敵を出そうとすれば、精霊王レイドのように「被ダメ増デバフ」みたいな事をやらないといけなくなってしまっている。そしてこれは、ダメ減を積めない人にとっては即死必須という結果を生む。

一方で、もし最初からダメ減の効果が減衰和として設計されていれば、敵キャラもそれを前提に設定されていたはずで、
「被ダメ増デバフ」みたいな無理ゲー仕様を持ち出さなくても、十分に強い敵を演出できたはず。

MP減、CT減

という感じにダメ減について考えてみたけれど、これと同じことはCT減、消費MP減についても言える。

火力の消費MPに比べてプリ(スパビ)MP供給力は過剰になっている。
これも、消費MP減の効果を単純和に設計してしまったために起きたインフレの一つと言えそう。

CT減については、いま確か70%だったと思うけれど、上限が設定されている。
こんな人為的な制約を課しているのは、運営側が「CT減を積みまくるとゲームバランスが崩れる」と認めているようなもの。

これが、もし減衰和で設計されていたら、CT20%減を5個積んでようやく67%減。 10%減なら11個積んでようやく68%減となる。70%上限なんていう不自然な制約をわざわざ設けなくても、自動的にそのあたりが事実上の上限になっていたことになる。

開発チームの入れ替わり

というわけで「減衰和は使いどころさえ正しければ、単純和より良い設計になり得たのに」という話が見えてくる。

そして、だからこそ、これを見通していたロードスの最初期の開発者は、単純和と減衰和という二種類のルーチンを用意したんだ推測できる。

けれど、(恐らく)会社の事情で開発メンバーが入れ替わり、引継ぎもまともに行われなかった。後を引き継いだメンバーはルーチンが2つある事の意図を読み取れず

「ちょwなんか総和ルーチンが2種類あるんですけどwwww」
「よく分からんけど、別にどっち使ってもいんじゃねwww」

みたいなノリの結果が今の最終ダメの設計、そしてダーク・ハンドのウォータースプラッシュなのではないかと。

そんな仮説。